ホームページ制作とは何ですか、という問があるとしたら、答はプレゼンテーションである、ということになるでしょう。

仕事であれ趣味であれ、情報を発信したいという意図を持つ人であれば、必ずその情報の受取手の立場に立って、整然とした分かりやすいサイトづくりを目指すのではないでしょうか。

何を相手に伝えたいか、そしてそれを理解してもらうにはどのような方法で提示すれば良いか、を考えることになるからです。

そして最終的には、相手を説得する、ということが必要になります。

これは文章を書く作法と似ているかもしれません。

会社のホームページであれば、制作の試みは営業そのものであると言えます。

白紙の状態の受取手を相手に、良好な企業イメージを植えつけ、商品を紹介し、その商品を効果的にアピールします。

そして相手の購買意欲をかき立てるのです。

■制作のおけるストーリーの流れ

近年よく見られるスタイルは、次のようなストーリーを持ったページづくりになっています。

あなたは今、自分自身で気づいているかいないか分かりませんが、とある問題において不自由をしています。

そしてもしその問題を解決することができるのであれば、大変な満足感を得ることができるでしょう。

そして当社が提供するサービスは、その問題を解決するのに確実に役に立ちます。

しかし問題は、通常であればそのサービスが非常に高価であることです。

そのため問題に気づいていても、あなたは解決することをあきらめて仕方がないと思っているのです。

そこで今回当社が提供するサービスは、期間および数量限定で、誰にでも入手できる特別価格で提供します。

このチャンスは二度とありません。

そしてこのサービスを利用することで、あなたがどれだけ満足して幸福感を得られるかを想像してみて下さい。

今がチャンスです。

とこういう具合です。

このようなメッセージが発せられているホームページに出会えば、自分だけが得をするかのような錯覚を覚え、そのサービスを購入しようと考えるはずです。

これはマーケティング手法を取り入れた、ホームページ制作のあり方のひとつです。

■AIDMAの法則

かつて行なわれていたマーケティング手法には、「AIDMAの法則」という理論がありました。

これは消費者が、ある時とある商品やサービスの存在に気づき(Attention)、それに興味を覚えます(Interest)。

そしてそれを購入してみたいと考え(Desire)、その商品やサービスのことを記憶します(Memory)。

そしてその関心が高まった時に機会を得て、購入する(Action)のです。

■AISASの法則

そして今日では、この手法が一歩進み「AISASの法則」という理論に実を結びました。

これは20世紀の終わりからインターネットが急速かつ広範に普及したことと密接な関係を持ちます。

つまり、消費者がとある商品やサービスの存在に気づいて興味を持つところまでは同じ(AttentionとInterest)ですが、消費者は更に自分で情報を求めるようになりました(Search)。

そして購入します(Action)。

しかしここまでに留まるのではなく、消費者はブログやSNSなどでその商品やサービスを購入して得られた満足感を情報発信し他の人々と情報を共有するようになりました(Share)。

この最後の情報共有は従来と決定的に違います。

つまり企業が自らの商品やサービスを宣伝するだけではなく、消費者が満足感をインターネット上にアップすることによって、企業の宣伝活動を大きく後押しすることになるからです。

このストーリーが成功すれば、営業活動が爆発的に広まってゆくことになるのです。

このような背景を知れば、ホームページ制作においてはオリジナリティを優先しつつも、一定の定石にのっとって行なわれることが必要であることが分かります。

そのためには単に美しく仕上がったページを作るだけで満足するのではなく、経営学の手法、マーケティングにも知恵を絞らなくてはならないと気づくでしょう。

■いかに市場に向けてプレゼンテーションするか?

これは何も企業が営業活動の一環としてホームページ制作・運営を行なう場合だけとは限りません。

一般の人々が例えば趣味の世界をテーマにして情報発信する時にも役に立つはずです。

趣味の世界の情報発信であれば売り上げなど無関係であると思われますが、先述の通りホームページ制作はそれを閲覧する人を相手に説得をすることに他ならないのです。

趣味だけの問題とはいえ、作り手であれば少しでも多くの人にその存在を知ってもらいたいはずです。

またそのように心掛けるのでなければ、それは世捨て人の考えであり、そもそも公開する必然性がありません。

冒頭で述べた通り、これはプレゼンテーションなのです。

制作者が独りよがりになって作るのではなく、相手の存在を意識し、興味を持ってもらい、相手を説得するというのが正しいあり方なのです。

そこを目指すと目指さないのとでは大きな差が発生します。

そして誰にも見られることのないホームページなどは、端的に言えばインターネットの世界に無数に存在するゴミを新たにまたひとつ作り出すに過ぎないのです。

出典:ホームページ制作 山形より